エレクトーン講師の武井悟です。
先日みんなもエレクトーン編曲しよう!という記事を書きました。
今回は実際に「この曲を弾こう!」と考えてから実際に演奏できるようになるまでにどんな作業しているのか、その一連の流れを紹介したいと思います。
編曲は「作譜」と「データ作り」に分かれる
ご存知の方も多いとは思いますが、作業の流れは大きく「作譜」と「データ作り」に分かれます。
「作譜」は楽譜を作る作業ですね。
五線譜を用意して手書きで書いてもいいですが、現代ではPCを使って打ち込むほうがラクかもしれません。
作譜の方法
ある程度音感のある人なら「耳コピ」をするのが一番手っ取り早いです。
そうでなくても、市販のスコア、MIDI、ピアノ譜、YouTubeの耳コピ動画など参考になるものがたくさんあるので、自分に合ったやり方でいいと思います。
耳コピに自信のない方でも「wavetone」「聞々ハヤえもん」といった耳コピ支援ツールを使えばなんとかなるかもしれません。
データ作り
作るデータは「レジストレーション」「リズム」「シーケンス」の3種類。
場合によってはXGサポートの作成もあります。
どんな曲でも「レジストレーション」だけはある程度用意しないといけないのがめんどうなところですね。
ここはELB-02のようにそもそも機能がなかったり、敷居が高そうで挫折する人がいそうなところです。なかなかひとりでやりきるのは大変かもしれないので、そんなときはこちらからご相談いただけばしっかりサポートさせていただきます。
一段譜でさらっと弾くのもあり
こんなに準備するのはめんどくさい!もっとさらっと弾きたい!という人はメロ+コードだけの一段譜(リードシート)を用意して適当なレジストで弾くほうが合っているのかもしれません。
じっくり準備して弾くもよし、気ままにさらっと弾くもよし、と様々なニーズに応えられるのがエレクトーンのいいところですね。
それでは作譜とデータ作りの流れをさらに細かく見ていきましょう。
作譜の流れ
①全体の構想を考える
いきなり漫然と耳コピを始める前に、演奏するとしたらどんな感じになるのかイメージを作っておきます。
それによって耳コピするパートの取捨選択や簡略化といった作業に迷いがなくなります。
だいたい次のようなことを考えながら曲を聴きます。
・ 拍子、テンポ、調、曲構成
・どんな楽器の音が鳴っているか
・弾きたい旋律、サブ旋律、キメ
・右手、左手、ベースで主になにを弾くか、弾くとしたらどのくらいの難しさになるか
・リズムは必要か
・アカンパニメント、オートベースを使うか、また使えそうなプリセットはあるか
②メロのコピーと大枠の作譜
以上のような構想をある程度終えた段階で「作譜」に入ります。
まずは曲の初めから終わりまで、主だったメロディーを三段譜の上段に書きながら大枠を作ってしまいます。
同時に拍子、テンポ、調、リハーサルマーク、といった基本情報を書き込み全体の大枠をつくります。
全体像が見えていたほうが終わりが見えないより精神的にラク、というのが大きな理由です(笑)
④残りのパートを譜面にする
最初に考えた構想に従って残りのパートを書いていきます。
ここは慣れが物を言う難しい面ではあります。
曲にもよるのですが、ペダルで演奏する部分をまるまるコピーしてから弾けるように簡略化、最後に左手で演奏したいフレーズやリズムを考慮しつつコードで埋める、という順序で作っていくことが多いです。
データ作り
⑤レジスト作成
作譜が終わった段階でデータ作成にはいります。
ざっくり音色をつくってレジストレーションメモリーに保存していきます。
それっぽい雰囲気で弾ける状態になっていればオーケーです。
ユーザーボイスが必要な箇所は後回しにしたりしなかったりです。
⑥リズム作成
リズムパターンプログラムでパーカッションの類を打ち込みます。
リズムはかっこいいほうがもちろんいいのですが演奏の主役ではないので、だいたい1セクション4小節くらいにしてコピーしながら部分部分を作り変える、使い回せるところは使いますなどガンガンラクをしていきます。
しっかり作り込むときはPCを使うこともあります。
⑦リズム、レジストシーケンス作成
作ったリズムが順番に流れるように、また自動でレジストレーションメモリーが切り替わっていくように必要に応じてリズムシーケンス及びレジストシーケンスを組みます。
これはちまちま打ちこむしかないですね。
⑧試奏
楽譜に沿って弾きながら譜面やレジストのせいで気持ちよく弾けない箇所、それからリズムやシーケンスのプログラムミスを洗い出します。
だいたいシーケンスの打ち間違いがあります(笑)。
⑨ブラッシュアップ
前項で見つけた要素をひたすらブラッシュアップします。心ゆくまでレジストとリズムを修正します。場合によっては楽譜も修正していきます。
後回しにしたユーザーボイスやアカンパニメント、オートベースも加えます。
気持ちよく演奏できるようになったら完成です!
完コピで音楽センスを磨こう
ここまでエレクトーンの楽譜とデータを作る流れを紹介してきました。
この流れのなかではエレクトーンで弾くことを重要視しているため、最低限の耳コピしかしていません。
時間に余裕があるときや少し複雑な編成の曲は三段譜から始めるのではなく各パートをスコアに起こして、それからエレクトーン譜に直すこともあります。
楽曲に含まれている音を隅々まで「完コピ」するのはかなり手間がかかりますが、終わったときは満足感もありますし、勉強になることも多いです。
特に楽器編成や和音の重ね方(ボイシング)は上記の流れの中では無視しがちです。
完コピを通して隅々まで聴くことで楽曲への理解も深まり、よりよい編曲や演奏にもつながっていると感じます。
少しずつやってみよう!
とまぁ、こんな感じで作業を進めているという作業の流れを紹介させていただきました。
書き出してみると、一つ一つの工程はそれほど難しいことはしていないはず…です。
もちろん最初は時間がかかりますし、経験による練度の差はありますが、結局まずは下手でもやってみるのが大事、ということですね。
今回ご紹介した流れでは最初に楽譜の大枠を作ってしまいましたが、慣れないうちは時間がかかるのでサビだけだったりAメロだけなど短い部分ごとにしっかり作って進めていくのもいいでしょう。
耳コピやデータ作りを通して音楽をより一層楽しめる人が増えるとうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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