詳細解説「ボイスエディット」第6回~周期的な変化を与えるLFO~

エレクトーン

エレクトーン講師の武井悟です。

「詳細解説『ボイスエディット』」、今回はレイヤー画面の3ページ目の説明。
いよいよ最後の機能説明です。

とはいえ、ボイスエディットの重要機能はレイヤーの1,2ページ目に凝縮されており、このページを操作することはあまりありません。

レイヤーの3ページ目はこのようになっています。

ボイスエディットレイヤー画面3ページ目

すべての項目に「LFO」とついています。3ページ目はこのLFOに関するページなんですね。

LFOとは

LFOとは”Low Frequency Oscillator”の略で、訳すと「低周波発振回路」となります。
難しいことはさておき、LFO=「音に周期的な変化を与える機能」と覚えておけばいいでしょう。

「LFOウェーブ」で揺らし方を、「LFOスピード」で変化の速さを設定し、
「ピッチ」「フィルター」「アンプリチュード」を周期的に変化させる

これがレイヤー3ページ目でできることです。

LFOウェーブについて

LFOウェーブはエレクトーンにしてはめずらしく感じがずらりと並んでおり、かなり威圧感がありますが、これらは単に波のかたちを表しているだけで、それぞれがどんな変化の仕方なのかを覚えてしまえば案外シンプルなものです。

それぞれの波形は次のようになっています。

「LFOウェーブ」一覧、これに加えてランダムがあります。

また、ランダムは言葉通りランダムな変化を引き起こします。

この波形に従って以下のパラメーターで設定する項目を変化させることができます。

その他の項目について

LFOスピード

LFOウェーブで選択した波形にそって、どのくらいのスピードでピッチなどを変化させるかを設定できます。

LFOピッチ

LFOウェーブで選択した波形にそって、ピッチが変化します。
周期的なピッチの変化ということで、大半の場合ビブラートの設定項目として使われます

ビブラートもまた音程の周期的な変化の一種で、LFOウェーブを「三角波」や「正弦波」にすることでビブラート効果を得ることができます。

実際にトランペットやフルートなどの多くの音色はデフォルトでこのLFOピッチによってビブラートが設定されています。
このような音色はボイスエディットのLFOスピードとピッチによってビブラートのニュアンスを変えることができます。

バイオリン5など、まれにエレメント自体にビブラートがかかっている音色もあり、これらの音色はLFOでビブラートのニュアンスを変えることができません。イメージとちがう場合は素直にあきらめましょう…。

LFOフィルター

前回の記事で説明した通り、ここで言うフィルターとはローパスフィルターのことで、一定以上の高い音をカットするというものです。
フィルターがどのくらい高い音をカットするかという境界を周期的に変化させることができます。

エフェクトの「ワウ」とほぼ同様の効果が得られるのですが、わざわざこちらで設定するメリットはないように感じます。

LFOアンプリチュード

「アンプリチュード」は簡単に言えば「ボリューム」です。
ここの値を大きくすると音量が周期的に変化します。

エフェクトの「トレモロ」と同じような効果を得られますが、よほどのことがない限りこちらでわざわざ加工する必要はないかと思います。

LFOとビブラート

さて、LFOピッチの項目にてビブラートとしての用法と実例について書きました。
しかし、各ボイスのボイスコンディション画面にも「ビブラート」の設定項目が存在します。

実はボイスコンディション画面のビブラート設定はボイスエディットのLFOと内部的には同じもので、ボイスエディットのLFOスピード及びLFOピッチを簡単に変更できる場所なんです。

「プリセット」にしておけばボイスエディット内部の設定が適応され、「ユーザー」にするとボイスコンディション内で簡単にスピードとデプス(深さ)が設定できます。
(ピッチが揺れ始めるタイミングを遅らせることができる「ディレイ」のパラメーターがある分ボイスコンディションのほうが高機能とまで言えるかもしれません…。)

もう少し高度な編集ができたら…

以上見てきたように、ボイスエディットのLFOでは音に周期的な変化を与える加工を行うことができるのですが、そのどれもが使いどころが少なかったり、別のなにかで簡単に代用できるような項目ばかりであまり使う機会はなさそうです。

フィルターやLFOはシンセサイザーの音作りでは大きな比重を占めるのですが、それと比べるとエレクトーンで設定できる項目はあまりに限定されすぎており、中途半端な印象です(フィルターにLFOによるモジュレーションはできるのにエンベロープの変更ができない点、LFOの各パラメーターのレンジが絶妙に狭い点など)。

LFOの設定は頭の片隅においておく程度で、なにかのタイミングで使えたらラッキーくらいな認識でいいでしょう。

ここまで、ボイスエディットのレイヤーページについて、いくつかの記事に分けて説明してきました。

詳細解説「ボイスエディット」、これにて機能紹介は終了です。次回は私が実際にユーザーボイスをどのように曲中で使っているかの紹介をして、連載を終了とさせていただきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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